船橋 一戸建ての体験記
先物は暴落に歯止めがきかなくなり、ASの有害廃棄物と同様に、事実上、価格がない状態になった。
パNが世界各地の市場に広がり、ニューヨーク証券取引所では、取引停止が真剣に検討された。
ニューヨーク市場ではこの日、株価が23パーセント下落し、率でみて史上最大の暴落になった。
株式市場と先物市場で価格が連動する仕組みがはたらかなくなったことで、先物市場はそれ以上に下落している。
FRBは大量の資金を供給して危機に対応した(ニューヨーク連銀のジェラルド・コリガン総裁は、銀行が新規の資金を実際に証券会社の支援に使うよう、強烈な圧力をかけなければならなかったと伝えられている)。
この週の終わりには混乱がほぼ収まり、市場は穏やかに回復するようになったが、約5千億ドルが吹き飛んでいた。
暴落が起こったのは、GがFRB議長に就任して問もないころであり、市場は同議長がすばやく対応したことを高く評価した。
2週間後の連邦公開市場委員会(FOMC)で、G議長は世界の金融市場が崩壊する可能性があると強く懸念していたが、地区連銀の総裁は、それぞれの地区の経済にはそれほどの打撃になっていないとみていた。
株価は安定したが、下落傾向が続いていた。
年末にはS&P500種の株価収益率は15倍弱になり8月からは約30パーセント下がっていたが、過去の平均と比較すると、とくに低かったわけではない。
この物語でとくに目立つのは、ポートフォリオ・Iが、理論としてはすばらしかったとしても、仰天するほど愚かな面があったことだ。
この戦略は一社が採用しているだけであればうまく機能するが、市場全体が採用した場合には、ほぼ間違いなく悲惨な結果になる。
LとLSはもちろん、きわめて優秀だ。
2人が設立した企業は、市場全体のポートフォリオ・Iのうちほぼ半分、約5百億ドルを管理していたと報じられている。
これだけの規模で戦略を実行したときに避けがたい結果を予想していなかったのは、驚くしかない。
MSでポートフォリオ・Iを担当していたR・ブックステーバーが、ブラック・マンデーの少し前に若い営業マンと話し合った内容を語っている。
営業マンが質問した。
30億ドルのポートフォリオ・Iを管理しており、株価が下がりはじめれば先物の売りを加速していくことになり、少なくとも20社が同じことをするという話はほんとうかと。
ブックステーバーは、どれも正しいと答えた。
営業マンは少しばかりの貯金をはたいて、株価指数のP・オプションを買った。
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